大晦日から元旦にかけて放送された『史上最多の大集合!!ジャニーズ年越し生放送 ジャニーズカウントダウン2015-2016』(フジテレビ系)(以下、カウコン)は、平均視聴率が12.5%で昨年フジテレビで放送された年越し番組から10ポイントもアップ。さらに「テレビウォッチャー」のWEB調査(※関連記事)でも満足度第一位だった。その人気の理由を考えてみた。

■大集合と視聴者目線の企画

今回のカウコンは2年ぶりのテレビ生中継で、嵐の司会は2009年以来6年ぶり。しかもジャニーズJr.を含む「史上最多の大集合」である。グループではSMAPを除く全グループが出演し(V6はVTR出演)、大阪京セラドームで単独カウコンを行うHey! Say! JUMPとも中継でつなぎ、ジャニーズJr.を含め100名以上が出演するとあって、事務所担はもちろん出演全グループのファンが注目した。

ジャニーズJr.時代は先輩たちのバックについて、ライブや舞台の着替えや演出をサポートし、ダンスやジャニーズタレントとしてのノウハウを学ぶが、一時は交流が多かった人同士もここ数年全く共演する機会がなくなったタレントたちも少なくない。

ジャニーズの出演番組を見ていると、共演するタレントはかたよりがある。嵐、SMAP、TOKIOら、ジャニーズグループの冠番組にゲスト出演するグループは顔ぶれがいつも同じで限定されているように見える。雑誌『Wink up』の名物企画『伝言板』で、仲の良いやりとりを見ることはあっても、並ぶ姿を目にすることはできない。年末の大型音楽番組でもグループシャッフルメドレーはあるが、これも固定されたメンバーであることがほとんどだ。そんな状況のなか、ジャニーズファンのグループシャッフルが見られる期待は大きかったはずだ。

しかも、今回初めての試みとして、「カウコンで聴きたい曲」「見たい夢の2ショット」のアンケートをWebで募集。しかも、Web会員に限らず1つのメールアドレスにつき1回投票ができるシステムで、多くの人が投票したに違いない。自分が投票した曲はどうなるか、どんな2ショットが選ばれるか楽しみがふくらんだはず。視聴者の声を反映し、ファンの見たいものを提供したのは大きい。

視聴者のアンケートではないが、『グループチェンジメドレー』企画も良かった。タッキー&翼の『雨のMelody』、KinKi Kidsの『夢物語』は、持ち歌と言われても違和感がないほどぴったり。TOKIOの『無責任ヒーロー』、Hey! Say! JUMPの『ズンドコパラダイス』なども、「なるほど」と思えるグッドマッチングだった。意外性のある楽曲チェンジは、関ジャニ∞が恒例の着ぐるみや変装でお笑いの味付けにした『Cha-Cha-Cha チャンピョン(Sexy Zone)』、Sexy Zoneの中島健人の流し目で歌うセクシーな『LOVE YOU ONLY(TOKIO)』、妖艶なKAT-TUN色に再生した『SHE! HER! HER!(Kis-My-Ft2)』など。同じ曲でも歌うグループによってこんなに雰囲気が変わるのかと、楽曲に新たな魅力が吹き込まれた感じだった。

また、『スペシャルコラボメドレー』の見どころは、やはり『アンダルシアに憧れて』だろう。ジャニーズの舞台でもよく披露される『アンダルシアに憧れて』は、ステージ映えがしてジャニーズのカッコ良さをギュッと詰めこんだ見ごたえがあるもの。自分の好きなアイドルの「アンダルシアダンス」を見たいと願うファンは多い。

今回の『アンダルシアに憧れて』は、東山紀之〜堂本光一〜大野智〜今井翼が歌いつないだ。ダンスは内博貴、屋良朝幸、千賀健永、戸塚祥太らが選抜され、圧巻の群舞。Sexy Zoneの佐藤勝利は以前、『ウチくる!?(フジテレビ系)』に出演した際、「アンダルシアはダンスがうまい、選ばれた人しか踊れない。僕は全然……」とコメントしていたが、佐藤勝利も、そしてカウコン初参加の松島聡も大先輩に混じって選抜された。「いつかアンダルシアに出たい」とコメントしていた中間淳太は今回選抜されていなかったが、ジャニーズWESTでは神山智洋が参加。また来年に期待しよう。

■本人も夢の2ショットに興奮

そしてファンが楽しみにしていたのが、『初夢2ショットBEST5発表』だ。発表されるたびに客席の歓声はヒートアップ。わかる人にはわかる、わからない人にはわからないコンビもあるので、ベスト5に選ばれた組み合わせの理由を見ていこう。

5位 櫻井翔(嵐)×菊池風磨(Sexy Zone)/『A・RA・SHI』

慶應義塾大学の先輩・後輩でもある二人。菊池の父はシンガーソングライターで、NHK「街道てくてく旅」のテーマソングを担当し、福島や宮城で復興支援コンサートなども行っている。嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」の作詞の他、TOKIO、滝沢秀明、今井翼らにも楽曲を提供。そんな環境もあって、菊池は4歳の時から嵐を知り、デビュー前からインタビューなどで「尊敬する先輩」は嵐で、「尊敬する人」は「櫻井翔」と答えている。中学一年の時に、バスケット部一色の生活が物足りなくなり、何か打ち込めるものがほしいと、大好きな嵐がいるジャニーズ事務所に応募した。雑誌『Wink up』の伝言板コーナーでも、嵐や櫻井に向けて何度かメッセージを送っている。そんな熱い思いがファンにも伝わり、共演を後押し。いつもはクールなキャラの風磨だが、念願の共演に歌の途中にも思わず笑顔がこぼれた。ラップも振りもダンスもしっかりこなし、最後は握手、櫻井の肩に手をかけてガッツポーズ。

4位 東山紀之×大野智(嵐)/『日本よいとこ摩訶不思議』

東山といえばストイックで知られ、大野はおっとりしたイメージがあるが、その忍耐強さは東山のお墨付きだ。『嵐にしやがれ(日テレ系)』では、東山が1997年、1998年の『ジャニーズ・ファンタジー KYO TO KYO』で共演、約半年にわたり京都に住み一日5公演をこなしたJr.時代の大野について「忍耐強さがハンパない。何があってもこの子は大丈夫。歌も踊りも何をさせても上手で芸術的感性も豊かで、天才」とべた褒めだった。『日本よいとこ摩訶不思議』は、近藤真彦と共に『たのきんトリオ』だった野村義男が作詞・作曲。少年隊のデビュー曲『仮面舞踏会』のカップリングの1曲で、昨年リリースした嵐のアルバム『Japonism』でカバーした。2人が歌っている最中、嵐の他のメンバーも踊っていた。

3位 松本潤(嵐)×河合郁人(A.B.C-Z)/『WISH』

『ザ少年倶楽部(NHKBS)』や舞台などで、錦織、木村、中居、滝沢、増田、亀梨、田口ら事務所の先輩たちの細かいモノマネを披露していた河合だが、特にジャニーズファンの間で有名なのが松本の『WISH』と『Love so sweet』の振りマネ。2008年の『ザ少年倶楽部』の「僕の夢」というテーマで『松本君と2人で「WISH」を踊ること』と書いていた河合の夢がついに実現。しかもテレビでワンコーラスを通して踊った河合は感激ひとしおだったはず。テレビ中継では曲の終わりのハイタッチを拒否した松本だが、コラボ終了後に2人でフロートに乗っている時は後輩を気遣い、ハイタッチも。メンバーの元まで戻り「松本君、お帰り」と櫻井に言われて「どうも、河合郁人です」と満更でもなさそうだった。

2位 大倉忠義(関ジャニ∞)×北山宏光(Kis-My-Ft2)/『アイノビート&ズッコケ男道』

一見接点がなさそうな二人だが、プライベートでは10年間も友人として親しくしていて、こういうカタチでの二人の共演は初めてだとか。『Wink up』の伝言板によると、メールや電話も頻繁にしているようで、北山が「おまえ、本当に俺のこと好きだな。素直にならないと電話してやらないぞ」など、まるで恋人同士のようなツンデレなやりとりが展開されている。また、雑誌でも、北山が大倉について、「デビュー前からずっと『おまえは絶対イケる。もしおまえがジャニーズを去ろうと思う時がきたら、まず俺に言え』と言ってくれた」と発言。グループにあっては最年少の大倉と最年長の北山だが、2人の関係は大倉がアニキ、北山が甘える弟みたいな関係なのか。CM中に北山は「なかなか大倉からメールが返ってこなくて、雑誌でやりとりしていたらこういう形になって嬉しくて思わず抱きついちゃった」と。嬉しさゆえの予想外のリアクションや表情も、ファンにとっては嬉しいお年玉だ。

1位 滝沢秀明(タッキー&翼)×渋谷すばる(関ジャニ∞)/『明日に向かって』

1997年ごろから数年は、ジャニーズJr.だけのレギュラー番組が多数あり、Jr.黄金期と呼ばれた時期。そのJr.のセンターで活躍していた絶対王者が滝沢。少し遅れて入所したが『ミュージックステーション(テレビ朝日系)』で歌い、その歌唱力で頭角を現し、人気に火がついた渋谷。デビュー前にも関わらず「東のタッキー、西のすばる」と言われ、人気を二部していた二人が、当時のJr.のライブでよく歌われていた『明日に向かって』を披露。後輩の嵐もこの2ショットと曲が懐かしいようで、こぶしを振り上げたり一緒に踊ったりとノリノリ。「これ嬉しいお客さん、いっぱいいらっしゃるんじゃないですかね」と櫻井。「20代の時にやれば良かったね」と滝沢。約20年前にタイムスリップ。アラサー、アラフォーファンは涙を流して喜んだのではないだろうか。

今までにない、そして今後も二度と見られないかもしれない2ショットの連発。そして、2ショットの実現を素直に喜ぶタレント本人の舞い上がる様子や満面の笑顔こそ、ファンにはたまらない喜び。ぜひ来年もこの企画を続けてほしい。

■予定外のサプライズに歓喜!

『初夢2ショットBEST5発表』の合間に番外編として登場したのが、亀梨和也(KAT-TUN)と山下智久の『青春アミーゴ(修二と彰)』。2005年の人気ドラマ「野ブタ。をプロデュース」の主題歌として、劇中の役名でCDを出し、ミリオンヒット。その修二と彰6年ぶりの復活、そして山下はカウコン出演予定が発表されていなかったこともあり、嬉しいサプライズになった。時を経て様々な経験をした二人だが、キラキラした輝きを失うことはなく、ひと回りもふた回りも成長した印象。歌が終わりメインステージに二人が戻ると、「山P、久しぶり」と相葉が山下とハグ、櫻井と握手する亀梨。そして二人は喋りながらハケた。

サプライズと言えば、『KinKi Kidsスペシャルメドレー』は事前に告知があったが、『KAT-TUN10周年記念メドレー』は、放送直前にテレビでお知らせがあったのみ。会場にいたファンはその情報がなかったため、ハイフンにとってはリフターの『僕らの街で』からムービングステージでの最新2曲は、思いがけない嬉しいサプライズだった。

めったに共演する機会のないグループ同士が垣根を越えて大集合し、ファンの多くの願いやリクエストが叶い、ファンと共に作り上げた感がある今回のカウコン。もしSMAPも参加したら、さらに視聴率がアップするのは間違いないだろう。夢の2ショットのリクエストも熱を帯びそうだ。ぜひいつか実現してほしい。そして『アンダルシアに憧れて』をジャニーズ全員で群舞する様が見られたら筆者は本望だ。

■ジャニーズタレント同士の親密なやりとりがわかる雑誌『Wink up』名物の「伝言板」コーナー。最新号(1/7発売)もチェック! (WINK UP(ウインクアップ) 2016年 02 月号

(ライター:佐藤ジェニー)

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